PC、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなどのネットワーク接続デバイス上の情報にアクセスしようとするとき、目的のデータがそのデバイス上に物理的に存在しない場合があります。 その場合は、データが実際に置かれているデバイスに対して情報へのアクセス要求を行う必要があります。 ピアツーピア(P2P)ネットワーク モデルでは、専用サーバを使用せずにピア デバイスがデータに直接アクセスします。

P2P ネットワーク モデルには、P2P ネットワークと P2P アプリケーションという 2 つの要素が関係しています。 どちらの要素も機能は似ていますか、実際の動作は大きく異なります。

P2P ネットワーク

P2P ネットワークでは、ネットワークによって接続されている複数のコンピュータが、専用サーバなしにプリンタやファイルなどのリソースを共有できます。 接続された各エンド デバイス(ピアと呼ばれる)は、サーバとクライアントの両方として動作できます。 1 台のコンピュータが、あるトランザクションについてはサーバの役割を果たしつつ、同時に別のトランザクションではクライアントとして動作します。 クライアントとサーバの役割は、要求ごとに設定されます。

図に示す例は、2 台のコンピュータから成る簡単な家庭用ネットワークです。 この例では、Peer2 にプリンタが USB によって直接接続されており、Peer1 からそのプリンタで印刷できるようにするために、ネットワーク上でプリンタを共有する設定がされています。 Peer1 は、ネットワークでドライブまたはフォルダを共有するように設定されています。 これにより、Peer2 がその共有フォルダにアクセスしてファイルを保存できます。 このようなネットワークでは、ユーザはファイル共有以外にも、ネットワーク ゲームを使用したり、インターネット接続を共有したりできます。

P2P ネットワークではネットワーク上のリソースが分散されます。 データは、専用サーバに置いて共有するのではなく、任意の場所および接続された任意のデバイス上に配置できます。 最新のほとんどの OS は、サーバ ソフトウェアを追加しなくてもファイルと印刷の共有をサポートします。 ただし、P2P ネットワークでは、アクセス許可を維持するために、一元的なユーザ アカウントまたはアクセス サーバは使用されません。 したがって、多数のコンピュータを含むネットワークではセキュリティとポリシーの適用が困難です。 ユーザ アカウントおよびアクセス権は各ピア デバイスで個別に設定する必要があります。