ユーザの要件を満たすためには、小規模ネットワークであっても計画と設計が必要です。 プランニングでは、すべての要件、コスト要因、および導入オプションについて慎重に検討します。
小規模ネットワークを実装するときに、設計に関して最初に考慮すべき点の 1 つは、ネットワークのサポートに使用する中継装置の種類です。 中継装置の種類を選択する際には、図に示すいくつかの要因を考慮する必要があります。
コスト
通常、コストは、小規模企業ネットワーク向けの機器を選択する際の非常に重要な要因の 1 つです。 スイッチまたはルータのコストは、その処理能力と機能によって決まります。 デバイスの処理能力としては、使用できるポートの数と種類やバックプレーンの速度が挙げられます。 コストに影響するその他の要因には、ネットワーク管理機能、組み込みのセキュリティ テクノロジー、およびオプションの高度なスイッチング テクノロジーがあります。 ネットワーク上のすべてのデバイスを接続するのに必要なケーブル配線のコストも考慮する必要があります。 コストに影響するもう 1 つの重要な要素は、どれほどの冗長性をネットワークに組み込むかです。これは、デバイス数、デバイスあたりのポート数、銅線または光ファイバによるケーブル配線の数に関係してきます。
ポートおよびインターフェイスの速度と種類
ルータまたはスイッチのポートの数および種類を選択することは、非常に重要な決定事項です。 検討すべき点としては「現在のニーズを満たすのにちょうど十分なポート数だけを用意するのか、将来的な拡張を考慮するのか」、「複数の UTP 速度を組み合わせる必要があるか」、「UTP ポートとファイバ ポートの両方が必要か」などがあります。
比較的新しいコンピュータは 1 Gbps の NIC を内蔵しています。 一部のワークステーションやサーバは、すでに 10 Gbps のポートを備えています。 より高価ですが、速度の増大に対応できるレイヤ 2 デバイスを選択しておくと、中心的なデバイスを置き換えずにネットワークを進化させることができます。
拡張性
ネットワーク デバイスは、固定式とモジュラ式のどちらの物理的構成でも提供されます。 固定式の構成では、ポートまたはインターフェイスの数と種類が限定されています。 モジュラ式のデバイスには拡張スロットが用意されていて、要件の発展とともに新しいモジュールを追加する柔軟性が提供されます。 大部分のモジュラ式デバイスは、基礎的な個数の固定式ポートと拡張スロットを搭載しています。 スイッチでは、オプションの高速アップリンク用に特別な追加ポートを利用できます。 また、ルータはさまざまな数や種類のネットワークの接続に使用できるので、特定のメディアにとって適切なモジュールやインターフェイスを選択するように注意する必要があります。 考慮すべき点としては、「モジュールをアップグレードできるデバイスを注文するのか」、「ルータに必要な WAN インターフェイスがあるすれば、それはどんな種類のものか」などがあります。
OS の機能とサービス
OS のバージョンによっては、ネットワーク デバイスで次のような機能やサービスをサポートできます。
- セキュリティ
- QoS
- VoIP
- レイヤ 3 スイッチング
- NAT
- DHCP
必要とされるインターフェイスや機能によっては、ルータの価格が高くなることがあります。 光ファイバなどの追加モジュールによっても、ネットワーク デバイスのコストは増加します。