ネットワーク パフォーマンスのモニタリングやトラブルシューティングで非常に有効な手段の 1 つは、ネットワーク ベースラインを設定することです。 ベースラインとは、ネットワークを定期的に調査してネットワークが確実に設計どおりに動作するようにするためのプロセスです。 ネットワーク ベースラインは、特定の時点でのネットワークの状態が詳細に記された 1 件のレポート以上のものです。 有効なネットワーク パフォーマンスのベースラインの作成を完了させるには、長い時間がかかります。 図 1 および 2 のように、時間や負荷をさまざまに変えながらパフォーマンスを測定することは、ネットワーク パフォーマンスの全体像を正確に把握するうえで役立ちます。

ネットワーク コマンドから得られる出力により、データをネットワーク ベースラインに提供できます。

ベースラインを開始する 1 つの方法は、実行された ping、trace、またはその他の関連コマンドの結果をテキスト ファイルにコピー アンド ペーストすることです。 これらのテキスト ファイルは、日付を記録したり、後で取得するためにアーカイブに保存したりできます。

保存された情報の有効な使い方として、結果を時系列で比較することが挙げられます(図 3)。 とりわけ考慮すべき項目は、エラー メッセージと、あるホストから別のホストへの応答時間です。 応答時間が大幅に増加している場合は、対処すべき遅延の問題が存在する可能性があります。

ドキュメント作成の重要性はどれだけ強調しても足りないほどです。 ホスト間の接続性の検証、遅延の問題、および特定された問題の解決は、ネットワーク管理者がネットワーク運用の効率性をできるだけ維持するうえで役立ちます。

企業のネットワークには、このコースで説明しきれないほど広範囲に及ぶベースラインが必要です。 プロフェッショナルグレードのソフトウェア ツールは、ベースライン情報を保存および管理するために使用できます。 このコースでは、いくつかの基本的な技法のみを取り上げ、ベースラインの目的について説明します。

ベースライン プロセスのベスト プラクティスは、こちらから入手できます。

ping コマンド出力のキャプチャは、図 4 に示すように、IOS プロンプトからも実行できます。