小規模ネットワークの実装とセキュリティ保護に加え、コンフィギュレーション ファイルの管理もネットワーク管理者の仕事です。 コンフィギュレーション ファイルの管理は、バックアップとデバイス故障時の復旧のために重要です。

Cisco IFS(IOS File System; IOS ファイル システム)は、次のような、ルータが使用するすべてのファイル システムに対する単一のインターフェイスを提供します。

Cisco IFS では、リモート サーバ上のファイルを含むすべてのファイルを表示および分類できます(画像、テキスト ファイルなど)。 たとえば、ルータへのファイルのロード前にそのファイルが正しいコンフィギュレーション ファイルであることを確認するために、リモート サーバ上のコンフィギュレーション ファイルを表示できます。

Cisco IFS を使用すると、管理者はさまざまなディレクトリに移動してディレクトリ内のファイルを一覧表示したり、フラッシュ メモリまたはディスクにサブディレクトリを作成したりできます。 使用可能なディレクトリは、デバイスによって異なります。

図 1 に、show file systems コマンドの出力を示します。この例では、Cisco 1941 ルータで使用できるすべてのファイル システムの一覧が表示されています。 このコマンドは、使用可能な空きメモリの容量、ファイル システムの種類とその権限など、有用な情報を提供します。 権限としては、コマンド出力の Flags 列に表示されているように、読み取り専用(ro)、書き込み専用(wo)、読み取りと書き込み(rw)があります。

一覧には数々のファイル システムが表示されていますが、ここで注目すべきものは TFTP、フラッシュ メモリ、および NVRAM の各ファイル システムです。

フラッシュ ファイル システムの前にはアスタリスクも表示されています。 これは、フラッシュ メモリが現在のデフォルト ファイル システムであることを示します。 ブート可能な IOS はフラッシュ メモリ内にあります。フラッシュ メモリのリストに付加されているハッシュ記号(#)はブート可能なディスクを示しています。

フラッシュ ファイル システム

図 2 は、現在のデフォルト ファイル システムの内容を示しています。ここでは、先ほどの図のリストで前にアスタリスクが付いていたフラッシュ メモリがこれに該当します。 フラッシュ メモリ内には複数のファイルがありますが、特に注目すべきものはリストの最後の項目です。 これは、RAM で現在実行されている Cisco IOS イメージ ファイルの名前です。

NVRAM ファイル システム

NVRAM の内容を表示するには、cd(change directory)コマンドを使用して現在のデフォルト ファイル システムを変更する必要があります(図 3 を参照)。 pwd(present working directory)コマンドを使用すると、現在表示されているのが NVRAM ディレクトリであることを確認できます。 さらに、dir(directory)コマンドを使用すると、NVRAM の内容が表示されます。 複数のコンフィギュレーション ファイルが表示されていますが、特に注目すべきものはスタートアップ コンフィギュレーション ファイルです。