IOS コマンドの基本構造

Cisco IOS デバイスは多数のコマンドをサポートしています。 IOS コマンドごとに書式や構文が決まっているため、各コマンドを実行するには、適切なモードを使用する必要があります。 コマンドの一般構文は、コマンド自体と(もしあれば)その後ろに続く適切なキーワードおよび引数から成ります。 コマンドによっては、追加の機能を提供するキーワードと引数のサブセットを持つものもあります。 コマンドはアクションを実行するためのもので、キーワードはコマンドの実行方法を指定するためのものです。

図 1 に示すように、コマンドはプロンプトに続いてコマンド ラインに入力された最初の単語または連語です。 コマンドの大文字と小文字は区別されません。 コマンドの後に 1 つ以上のキーワードや引数が続きます。 必要に応じてキーワードと引数も含めて完全なコマンドを入力した後、Enter キーを押すことによってコマンド インタープリタにそのコマンドを送信します。

キーワードは、特定のパラメータをコマンド インタープリタに伝えるためのものです。 たとえば、デバイスに関する情報を表示するには、show コマンドを使用します。 このコマンドには、表示すべき出力を定義するために使用しなければならない種々のキーワードがあります。 次に例を示します。

Switch# show running-config

この例では、コマンド show の後ろにキーワード running-config があります。 このキーワードは、実行コンフィギュレーションを出力として表示するように指定しています。

IOS コマンドの記述方法

1 つまたは複数の引数を必要とするコマンドもあります。 キーワードとは異なり、引数は一般に、事前に定義された単語ではありません。 引数はユーザ定義の値または変数です。 コマンドに必要なキーワードおよび引数を調べるには、コマンド構文を参照してください。 構文を見ると、コマンドを入力するときに使用しなければならないパターンや書式がわかります。

たとえば、description コマンドを使用する場合の構文は次のとおりです。

Switch(config-if)# description string

図 2 に示すように、太字のテキストは、表示どおりに入力するコマンドおよびキーワードを表します。また、イタリックのテキストは、実際の値を指定すべき引数を表します。 description コマンドの場合、引数は文字列(string)値です。 文字列(string)値としては、80 文字までの任意のテキスト文字列を指定できます。

したがって、description コマンドを使用して説明をインターフェイスに適用する場合は、次のような行を入力します。

Switch(config-if)# description MainHQ Office Switch

コマンドは description で、ユーザ定義引数は MainHQ Office Switch です。

以下の例では、IOS コマンドについて表記法をいくつか示します。

ping コマンドの場合:

構文:

Switch> ping IP-address

値を指定した例:

Switch> ping 10.10.10.5

コマンドは ping で、ユーザ定義引数は 10.10.10.5 です。

同様に、traceroute コマンドを入力するための構文は次のとおりです。

構文:

Switch> traceroute IP-address

値を指定した例:

Switch> traceroute 192.168.254.254

コマンドは traceroute で、ユーザ定義引数は 192.168.254.254 です。