ホット キーとショートカット

IOS CLI には、設定、モニタリング、およびトラブルシューティングを容易にするショートカットとホット キーが用意されています。

図には、大部分のショートカットが記載されています。 特に重要なものを以下に示します。

これらのショートカットをもう少し詳しく説明します。

Tab

Tab キーの補完機能を使用すると、コマンドやパラメータの文字列を完全に入力しなくても、そこで使用可能な他のコマンドやパラメータと区別できるだけの文字が入力文字列に含まれていれば、残りの部分を補完できます。 目的のコマンドまたはキーワードを特定できそうな文字列を入力したところで Tab キーを押すと、そのコマンドまたはキーワードの残りの部分が表示されます。

この手法を使用すると、コマンドまたはキーワードに使われている完全な語を確認できるので、学習の際に便利です。

Ctrl+R

行を再表示すると、入力したばかりの行がリフレッシュされます。 行を再表示するには、Ctrl+R を使用します。 たとえば、行を入力するのと同時に IOS が CLI にメッセージを返すのを目にすることがあるでしょう。 Ctrl+R を使用して行をリフレッシュすると、その行を再入力せずに済みます。

次の例では、障害の起きたインターフェイスに関するメッセージがコマンドの途中に返されます。

Switch# show mac-

16w4d: %LINK-5-CHANGED: Interface FastEthernet0/10, changed state to down

16w4d: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface FastEthernet0/10, changed state to down

入力していた行を再表示するには、Ctrl+R を使用します。

Switch# show mac

Ctrl+Z

コンフィギュレーション モードを終了すると、どのコンフィギュレーション モードからでも特権 EXEC モードに戻ります。 IOS には階層的なモード構造があるので、何レベルも下に降りていることがあります。 そのようなときは、各モードを個々に終了する代わりに Ctrl+Z を使用すると、トップ レベルの特権 EXEC プロンプトに直接戻ることができます。

↑ と ↓

これらのキーによって、前に入力したコマンドの履歴が呼び出されます。 Cisco IOS ソフトウェアは、過去のコマンドと文字列をいくつもバッファに入れて、入力内容を呼び出せるようにしています。 このバッファは、再入力せずにコマンドを再利用するのに便利です。

バッファに格納されたコマンドの中をスクロールできるキー シーケンスがあります。 前に入力したコマンドを表示するには、キー(Ctrl+P)を使用します。 このキーを押すたびに、次に古いコマンドが順に表示されます。 コマンドの履歴の中で新しい方へとスクロールして、より新しいコマンドを表示するには、キー(Ctrl+N)を使用します。

Ctrl+Shift+6

このエスケープ シーケンスによって、実行中のプロセスが中断されます。 ping や traceroute などによって CLI から IOS プロセスを起動すると、そのコマンドは、IOS プロセスが完了または中断されるまで実行されます。 プロセスの実行中は、CLI は応答不能になります。 出力を中断して、CLI と対話するには、Ctrl+Shift+6 を押します。

Ctrl+C

これはコマンドの入力を中断し、コンフィギュレーション モードを終了します。 これはキャンセルする必要のあるコマンドを入力した後で使用すると便利です。

省略されたコマンドまたはキーワード

コマンドとキーワードは、それを特定できる最小限の文字数まで短縮できます。 たとえば、configure コマンドは conf まで短縮できます。なぜなら、conf で始まるコマンドは configure だけだからです。 con という省略形は無効です。なぜなら、con で始まるコマンドは複数存在するからです。

キーワードも短縮できます。

たとえば、show interfaces は次のように短縮できます。

Switch# show interfaces

Switch# show int

次のように、コマンドとキーワードの両方を短縮することもできます。

Switch# sh int