メッセージのタイミング
相手がメッセージを正しく受け取って理解できるかどうかを左右するもう 1 つ別の要因として、タイミングがあります。 人間は会話の中でタイミングを見計らうことにより、いつ発言し、どのくらいの速さで喋り、相手の返事をどのくらい待つかなどを判断します。 これらは一種の約束ごとです。
アクセス方式
アクセス方式は、メッセージを送信できるタイミングを決定します。 このようなタイミングのルールは、環境によって変わります。 たとえば、話すことがあるときに、いつでも発言できる環境があるとします。 このような環境では、誰も発言していないタイミングを見計らって発言する必要があります。 図 1 に示すように、2 人の人間が同時に発言すると情報の衝突が発生するため、2 人は発言をやめて最初から発言しなおす必要があります。 同様に、コンピュータ通信においてもアクセス方式を定義する必要があります。 ネットワーク上のホストはアクセス方式に従って、メッセージの送信を開始するタイミングやエラー発生時の対処方法を判断します。
フロー制御
タイミングは、送信できる情報の量や配信速度にも影響します。 図 2 に示すように、話す速度が速すぎると、相手にとってはメッセージを聞き取って理解することが難しくなります。 そのような場合、聞き手は、もっとゆっくり話すように頼む必要があります。 ネットワーク通信の場合、送信元ホストは、宛先ホストのメッセージ受信速度よりも速くメッセージを伝送できます。 送信元ホストと宛先ホストは、正しく通信を行えるように、フロー制御を使用して適切なタイミングを判断します。
応答タイムアウト
図 3 に示すように、人間どうしの会話の場合、質問を投げかけたのにいつまで経っても返事が返ってこないときは、返事が返ってくることはないものと想定して適切に対処します。 たとえば、同じ質問をもう一度投げかけたり、返事を待たずに会話を進めたりします。 ネットワーク上のホストにも同様のルールがあり、応答の待ち時間と、応答がタイムアウトになった場合の処理が規定されています。