一般に、TCP/IP モデルなどの階層型モデルは、さまざまなプロトコル間で行われるやり取りを視覚化するのに役立ちます。 階層型モデルは、各階層で発生するプロトコルの動作を表すほか、上位層や下位層とのプロトコルのやり取りも表します。
階層型モデルを使用してネットワーク プロトコルと操作を表すと、 次のような利点があります。
- プロトコルの設計に役立つ。これは、特定の層で動作するプロトコルについては、その機能を定義する情報や上下の層とのインターフェイスが定められているためです。
- 異なるベンダーの製品を組み合わせて使用できるので、競争が促進される。
- 1 つの層でテクノロジーや機能が変更されても上位または下位の層に影響しない。
- ネットワークの動作や機能を説明する共通言語となる。
次の 2 種類の基本的なネットワーク モデルがあります。
- プロトコル モデル - このモデルは、特定のプロトコル スイートの構造と厳密に一致します。 スイート内の各プロトコルは、関連し合うものが階層に分けて配置されます。一般に、各階層に含まれるプロトコルは、人間のネットワークとデータ ネットワークを仲介するのに必要なすべての機能を表します。 TCP/IP モデルは、プロトコル モデルです。これは、TCP/IP スイート内のプロトコルの各階層で発生する機能を規定します。
- 参照モデル - このモデルは、ネットワーク プロトコルとネットワーク サービスのすべての種類を統一し、特定の階層で実行する必要がある処理を規定しますが、その処理を実行する方法は規定しません。 参照モデルは、実装仕様として利用することを目的としたものではありません。また、ネットワーク アーキテクチャのサービスを厳密に定義するに十分なだけの詳細情報を示すものでもありません。 参照モデルの主な用途は、関係する機能やプロセスについて理解する際に参考情報として使用することです。
OSI モデルは、最も一般的に知られている中間ネットワーク参照モデルです。 OSI モデルは、データ ネットワークの設計、動作仕様、およびトラブルシューティングに使用されます。
図に示すように、TCP/IP および OSI モデルは、ネットワーク機能について説明する際に使用される主なモデルです。 ネットワーク プロトコル、サービス、またはデバイスの設計者は、独自の製品モデルを作成できます。 最終的には、設計者は、その製品やサービスを OSI モデルまたは TCP/IP モデルのどちらか、あるいはその両方に関連付けて、業界への情報提供をする必要があります。