データのカプセル化とは、送信前のデータにプロトコル ヘッダー情報を追加するプロセスです。 データ通信のほとんどの形態では、元のデータは送信される前にいくつかのプロトコルでカプセル化またはラップされます。
ネットワークへメッセージを送信するとき、ホストのプロトコル スタックは上から下へと動作します。 Web サーバの例で、TCP/IP モデルを使用してクライアントに HTML Web ページを送信するプロセスを説明できます。
まず、アプリケーション層プロトコル HTTP が、HTML でフォーマットされた Web ページ データをトランスポート層に送ります。 トランスポート層では、アプリケーション データが TCP セグメントに分割されます。 各 TCP セグメントに、ヘッダーと呼ばれるラベルが付加されます。このヘッダーには、宛先コンピュータ上でメッセージを受信するプロセスに関する情報が含まれています。 また、宛先プロセスで、データを元の形に再度組み立てるための情報も含まれています。
トランスポート層は、Web ページの HTML データをセグメントにカプセル化し、それを IP プロトコルが実装されるインターネット層に送ります。 インターネット層では、TCP セグメント全体が IP パケットにカプセル化され、IP ヘッダーと呼ばれるラベルが追加されます。 IP ヘッダーには、送信元および宛先ホストの IP アドレスと、対応する宛先プロセスにパケットを配信するのに必要な情報が含まれています。
次に、IP パケットはネットワーク アクセス層に送られ、フレーム ヘッダーとトレーラでカプセル化されます。 各フレーム ヘッダーには、送信元と宛先の物理アドレスが含まれています。 物理アドレスは、ローカル ネットワーク上のデバイスを一意に識別します。 トレーラにはエラー チェック用の情報が格納されています。 最後に、サーバのネットワーク インターフェイス カード(NIC)によってビットがメディアに符号化されます。 図の [再生] ボタンをクリックして、カプセル化のプロセスを表示してください。