ネットワーク内で通信が正しく行われる仕組みを理解するには、デバイスが同じネットワーク上に存在する別のデバイスと通信するときに、ネットワーク層アドレスとデータ リンク アドレスの両方が果たす役割について理解する必要があります。 この例では、クライアント コンピュータ PC1 が、同じ IP ネットワーク上のファイル サーバ(FTP サーバ)と通信します。
ネットワーク アドレス
ネットワーク層アドレスまたは IP アドレスは、送信元と宛先のネットワーク アドレスとホスト アドレスを示します。 アドレスのネットワーク部は同じで、ホスト部またはデバイス部のみが異なります。
- 送信元 IP アドレス - 送信側デバイスの IP アドレス、クライアント コンピュータ PC1:192.168.1.110。
- 宛先 IP アドレス - 受信側デバイスの IP アドレス。この例では FTP サーバの IP アドレス:192.168.1.9。
データ リンク アドレス
IP パケットの送信者と受信者が同じネットワーク上に存在する場合、データ リンク フレームは、受信側デバイスに直接送信されます。 イーサネット ネットワークでは、データ リンク アドレスは、イーサネット MAC アドレスとも呼ばれます。 MAC アドレスは、イーサネット NIC に物理的に組み込まれた 48 ビットのアドレスです。 MAC アドレスは、物理アドレスまたは Burned-In Address(BIA; バーンドイン アドレス)とも呼ばれます。
- 送信元 MAC アドレス - これは、IP パケットを送信するデバイス(この例では PC1)のデータ リンク アドレスまたはイーサネット MAC アドレスです。 PC1 のイーサネット NIC の MAC アドレスは AA-AA-AA-AA-AA-AA です。
- 宛先 MAC アドレス - 受信側デバイスが送信側デバイスと同じネットワーク上に存在する場合、受信側デバイスのデータ リンク アドレスがこれに該当します。 この例では、宛先 MAC アドレスは、FTP サーバの MAC アドレス CC-CC-CC-CC-CC-CC です。
送信元アドレスと宛先アドレスがイーサネット フレームに追加されます。 これで、IP パケットがカプセル化されたフレームを PC1 から FTP サーバに直接送信できます。