それでは、デバイスがリモート ネットワーク上のデバイスと通信する場合、ネットワーク層アドレスとデータ リンク層アドレスは、どのような役目を果たすでしょうか。 この例では、クライアント コンピュータ PC1 が、別の IP ネットワーク上の Web Server という名前のサーバと通信します。
ネットワーク アドレス
IP アドレスは、送信元と宛先のネットワーク アドレスとデバイスのアドレスを示します。 パケットの送信者が、受信者とは異なるネットワーク上に存在する場合、送信元 IP アドレスと宛先 IP アドレスは、それぞれ異なるネットワーク上に存在するホストを表します。 これは、宛先ホストの IP アドレスのネットワーク部によって示されます。
- 送信元 IP アドレス - 送信側デバイスの IP アドレス、クライアント コンピュータ PC1:192.168.1.110。
- 宛先 IP アドレス - 受信側デバイスの IP アドレス。この例では Web サーバの IP アドレス 172.16.1.99。
データ リンク アドレス
IP パケットの送信者と受信者が異なるネットワーク上に存在する場合、宛先ホストは、送信者のネットワークに直接到達できないため、イーサネット データ リンク フレームは、宛先ホストに直接送信できません。 この場合、イーサネット フレームは、ルータまたはデフォルト ゲートウェイと呼ばれる別のデバイスに送信する必要があります。 この例では、デフォルト ゲートウェイは R1 です。 R1 はインターフェイスを持ち、R1 の IP アドレスは PC1 と同じネットワーク上にあります。 したがって、PC1 はルータに直接到達できます。
- 送信元 MAC アドレス - 送信側デバイス PC1 のイーサネット MAC アドレス。 PC1 のイーサネット インターフェイスの MAC アドレスは AA-AA-AA-AA-AA-AA です。
宛先 MAC アドレス - 受信側デバイスが送信側デバイスとは異なるネットワーク上に存在する場合、デフォルト ゲートウェイまたはルータのイーサネット MAC アドレスがこれに該当します。 この例では、宛先 MAC アドレスは、PC1 ネットワークに接続されている R1 イーサネット インターフェイスの MAC アドレス 11-11-11-11-11-11 です。
これで、IP パケットがカプセル化されたイーサネット フレームを R1 サーバに送信できます。 R1 はパケットを宛先の Web サーバに転送します。 ただし、これは次のどちらかを意味する可能性があります。つまり、R1 はパケットを別のルータに転送する場合と、Web サーバに直接転送する場合があります(Web サーバが R1 と同じネットワーク上に存在する場合は後者です)。
送信側デバイスは、ルータの MAC アドレスをどのような方法で調べるでしょうか。
各デバイスは、TCP/IP 設定で指定されたデフォルト ゲートウェイ アドレスを通じてルータの IP アドレスを知ることができます。 デフォルト ゲートウェイ アドレスは、送信元デバイスと同じローカル ネットワークに接続されているルータ インターフェイスのアドレスです。 同じローカル ネットワーク内のデバイスはすべて同じデフォルト ゲートウェイ アドレスを使用してルータにメッセージを送信します。 デフォルト ゲートウェイの IP アドレスがわかれば、ARP を使用してデフォルト ゲートウェイの MAC アドレスを調べることができます。 その後、デフォルト ゲートウェイの MAC アドレスはフレームに挿入されます。