物理層規格のアドレスの 3 つの機能エリア:
物理コンポーネント
物理コンポーネントには、ビットを表す信号を伝送および搬送する電子的なハードウェア デバイス、メディア、および他のコネクタがあります。 ネットワーク アダプタ(NIC)、インターフェイス、コネクタなどのハードウェア コンポーネント、ケーブル素材、およびケーブル設計はすべて、物理層に関する規格で指定されています。 Cisco 1941 ルータのさまざまなポートとインターフェイスも、規格に準拠した特定のコネクタおよびピン割り当てを持っています。
符号化
符号化(エンコーディング)または回線符号化とは、データ ビットのストリームを事前に定義された「コード」に変換する方法です。 コードとは、ビットをグループ化したもので、送信者と受信者の両方が認識できる予測可能なパターンを提供するために使用されます。 ネットワークの場合、符号化とは、電圧または電流のパターンを使用して 0 と 1 のビットを表現することです。
物理層の符号化方式は、データのコードを作成するだけでなく、フレームの開始と終了の識別といった管理目的のコードを提供する役割も果たします。
一般的なネットワーク符号化方式には次のものがあります。
- マンチェスタ符号化:0 は高から低への電圧遷移によって表され、1 は低から高への電圧遷移で表されます。 このタイプの符号化は、旧バージョンのイーサネット、RFID、および近距離無線通信(Near Field Communication; NFC)で使用されます。
- Non-Return-to-Zero(NRZ):データ符号化の一般的な方法です。「0」と「1」の 2 つの状態だけを持ち、中間や停止のポジションはありません。 多くの場合、0 はメディア上のある電圧レベルによって表され、1 はそのメディア上の別の電圧によって表されます。
注:より高速なデータ レートでは 4B/5B といったより複雑な符号化が必要になりますが、これらの方式の説明はこのコースの範囲外です。
シグナリング
物理層は、メディア上で「1」と「0」を表す電気、光、または無線の信号を生成する必要があります。 ビットを表す方式はシグナリング方式と呼ばれます。 物理層の規格は、どのタイプの信号が「1」を表し、どのタイプの信号が「0」を表すのかを定義する必要があります。 これは、電気信号または光パルスのレベル変更のようにシンプルなもので構いません。 たとえば、長いパルスが 1 を表し、短いパルスが 0 を表すといった具合です。
これは通信用のモールス信号によく似ています。 モールス信号は、電話線を介して、または海上の船舶間で、一連のオンオフ トーン、光、またはクリックを使用してテキストを送るシグナリング方式です。
信号は 2 つの方法のうちどちらかで送信できます。
- 非同期:データ信号は関連するクロック信号なしで送信されます。 データ文字またはブロックの間の時間間隔は標準化されておらず、任意の間隔を使用できます。 したがって、フレームには開始および停止のインジケータ フラグが必要です。
- 同期:データ信号は、ビット時間と呼ばれる等間隔の時間内に発生するクロック信号とともに送信されます。
信号を送信する方法は数多くあります。 データ送信の一般的な方式は、変調技術を使用する方法です。 変調とは、ある波長(信号)の特性で別の波長(キャリア)を変更するプロセスです。 次の変調技術はメディア上のデータ送信に広く使用されています。
- 周波数変調(FM):キャリア周波数が信号に応じて変化する伝送方法。
- 振幅変調(AM):キャリアの振幅が信号に応じて変化する伝送技術。
- パルスコード変調(PCM):信号の振幅をサンプリングし、異なる振幅を 2 進法として表現することで音声などのアナログ信号をデジタル信号に変換する技術。 サンプリング レートは信号内の最も高い周波数の 2 倍以上である必要があります。
メディア上でビットを表す実際の信号の特性は、使用するシグナリング方式によって異なります。 方式によっては、信号のある属性を使用して単一の 0 を表現し、信号の別の属性を使用して単一の 1 を表現する場合があります。
図 2 は、信号の送信に AM および FM 技術がどのように使用されるかを示しています。