イーサネット フレーム内の主要なフィールドを次に示します。
- プリアンブルおよびフレーム開始デリミタ フィールド:送信側デバイスと受信側デバイスとの同期に使用されるフィールドです。プリアンブルは 7 バイト、フレーム開始デリミタ(Start Frame Delimiter; SFD)は 1 バイトのフィールドを使用します(SFD はフレームの開始フィールドとも呼ばれます)。 フレームのこの最初の 8 バイトは、受信側ノードの注意を引くために使用されます。 基本的に、最初の数バイトは、新しいフレームを受信する準備をするように受信側に指示するものです。
- 宛先 MAC アドレス フィールド:この 6 バイトのフィールドは、目的の受信者の識別子です。 以前に説明したとおり、このアドレスは、デバイスがフレームの宛先を判断するのを支援するためにレイヤ 2 で使用されます。 フレーム内のアドレスは、デバイスの MAC アドレスと比較されます。 それらが一致すれば、デバイスはそのフレームを受け入れます。
- 送信元 MAC アドレス フィールド:この 6 バイトのフィールドは、フレームの発信元である NIC またはインターフェイスを識別します。
- 長さフィールド:1997 年より前のすべての IEEE 802.3 規格の場合は、長さフィールドによってフレーム内のデータ フィールドの厳密な長さが定義されます。 これは、メッセージが適切に受信されたことを保障するために、後で FCS の一環として使用されます。 それ以外の場合、このフィールドの目的は、上位レイヤにどのプロトコルが存在するかを記述することです。 2 オクテット値が 16 進数値の 0x0600 または 10 進数値の 1536 以上の場合、データ フィールドの内容が指定の EtherType プロトコルに従ってデコードされます。 一方、この値が 16 進数値の 0x05DC または 10 進数値の 1500 以下の場合は、IEEE 802.3 フレーム形式の使用を示すために長さフィールドが使用されます。 この点がイーサネット II フレームと 802.3 フレームとの違いになっています。
- データ フィールド:このフィールド(46 ~ 1500 バイト)には、上位レイヤからのカプセル化されたデータが含まれます。このデータは、汎用のレイヤ 3 PDU、またはより一般的な IPv4 パケットです。 すべてのフレームは少なくとも 64 バイトの長さにする必要があります。 小さいパケットがカプセル化される場合には、パッドと呼ばれる追加ビットを使用して、フレームのサイズをこの最小サイズまで増やします。
- フレーム チェック シーケンス フィールド(FCS):FCS フィールド(4 バイト)は、フレーム内のエラーを検出するために使用されます。 このフィールドでは巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check; CRC)を使用します。 送信側デバイスは、フレームの FCS フィールドに CRC の結果を含めます。 受信側デバイスはフレームを受信し、エラーを検出するために CRC を生成します。 計算結果が一致した場合、エラーは発生していません。 計算結果の不一致は、データが変化したことを示します。その場合、フレームはドロップされます。 データの変化は、ビットを表す電気的信号が中断された結果として生じる場合があります。