MAC アドレスの使用は、イーサネット LAN テクノロジーの非常に重要な面の 1 つです。 MAC アドレスでは 16 進法を使用します。

「Hexadecimal(ヘキサデシマル:16 進法)」という単語は、名詞としても形容詞としても使用されます。 単体で(名詞として)使用される場合は、16 進法を意味します。 16 進法は 2 進数の値を表すのに便利な方法です。 10 進法および 2 進法がそれぞれ 10 および 2 を底とした記数法であるように、16 進法は 16 を底とした記数法です。

16 を底とした記数法では、0 ~ 9 までの数字と A ~ F までの文字を使用します。 図 1 に、2 進数の 0000 ~ 1111 に相当する 10 進数および 16 進数の値を示します。 人間にとっては、値を 4 つの 2 進数によるビット列として表すよりも 16 進数 1 桁として表すほうが容易です。

2 進数のグループを 8 ビット(1 バイト)で区切る場合、00000000 ~ 11111111 までの 2 進数は 16 進数の 00 ~ FF の範囲で表すことができます。 先行ゼロは、8 ビットの表現を完全なものにするために、常に表示されます。 たとえば、2 進数値 0000 1010 は 16 進数で表すと 0A です。

:図 1 に示すように、0 ~ 9 の文字列に関しては 16 進数値と 10 進数値を区別することが重要です。

16 進数値の表現

16 進数は、通常は値の先頭に 0x が付加されたテキスト(0x73 など)か、下付き文字の 16 で表されます。 あまり一般的ではありませんが、値の後に H を続ける(73H など)場合もあります ただし、下付きテキストは、コマンド ラインやプログラミング環境では認識されないため、16 進数の技術的な表現では、先頭に「0x」(ゼロ x)が付けられます。 したがって、前述の例を 16 進数で表すと、それぞれ 0x0A と 0x73 になります。

16 進数は、イーサネット MAC アドレスや IP バージョン 6(IPv6)アドレスを表すために使用されます。

16 進数への変換

10 進数と 16 進数の間で数字を変換するのは直接的ですが、16 で除算または乗算するのは回りくどいと言えなくもありません。 このような変換が必要な場合は、通常、10 進数または 16 進数の値をいったん 2 進数に変換したうえで、16 進数または 10 進数に適宜変換するほうが容易です。

練習により、10 進数値および 16 進数値と一致する 2 進数のビット パターンを認識できるようになります。 図 2 に、選択された 8 ビット値に対応する、2 進数のビット パターンを示します。