IP は、IP ヘッダーを追加することによって、トランスポート層のセグメントをカプセル化(パッケージ化)します。 このヘッダーは宛先ホストにパケットを配信するために使用されます。 IP ヘッダーは、パケットが送信元ホストのネットワーク層を離れた時点から宛先ホストのネットワーク層に到達するまで存在しています。

図 1 では、トランスポート層の PDU を作成するプロセスを示します。 図 2 では、その後でネットワーク層の PDU を作成するプロセスを示します。

データ層ごとにカプセル化を行うことで、各層におけるサービスを、他の層に影響を与えることなく、開発および拡張できます。 つまり、トランスポート層のセグメントは、IPv4 や IPv6 または将来開発されるかもしれない新しいプロトコルによって、簡単にパッケージ化できます。

ルータでは、これらの異なるネットワーク層プロトコルを、同じホストまたは異なるホストとのネットワークで同時に動作するように実装できます。 これらの中継装置によって実行されるルーティングでは、セグメントをカプセル化しているパケット ヘッダーの内容だけが考慮されます。 いずれの場合も、パケットのデータ部分、つまりカプセル化されたトランスポート層 PDU は、ネットワーク層の処理中に変更されません。