1990 年代初め、Internet Engineering Task Force(IETF)は IPv4 のさまざまな問題に懸念を抱き、代替技術の研究を始めました。 この活動により、IP Version 6(IPv6)が開発されました。 IPv6 は、IPv4 の制限を克服し、現在および将来のネットワーク要件に適した機能を備えた強力な拡張です。
IPv6 の特長は次のとおりです。
- アドレス空間の増加:IPv4 が 32 ビットであるのに対し、IPv6 アドレスは 128 ビットの階層型アドレスに基づいています。 これにより、使用可能な IP アドレスの数が大幅に増加します。
- パケット処理の向上:IPv6 のヘッダーは、フィールドの数が少なくシンプルになっています。 これにより、中継ルータでのパケット処理効率が向上し、スケーラビリティと耐用期間の向上につながる拡張やオプションにも対応できます。
- NAT の必要性の排除:パブリック IPv6 アドレスは数が多いので、ネットワーク アドレス変換(NAT)は必要ありません。 大企業から一家庭まで、あらゆる顧客サイトがパブリック IPv6 ネットワーク アドレスを取得できます。 これにより、エンドツーエンド接続を必要とするアプリケーションで発生する、NAT に起因する問題の一部を回避できます。
- 統合セキュリティ:IPv6 は、認証とプライバシーの機能をネイティブにサポートします。 IPv4 では、そのために追加機能を実装する必要がありました。
32 ビットの IPv4 アドレス空間では、約 4,294,967,296 の一意のアドレスが提供されます。 このうち、実際に割り当てることができるのは 37 億アドレスだけです。これは、IPv4 アドレスではアドレスがクラスに分割され、マルチキャスト、テスト、その他の特定用途にアドレスが予約されるためです。
図に示すように、IPv6 のアドレス空間では 340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456 つまり 340 澗(アンデシリオン)個のアドレスが提供され、これは地球上の砂粒の数にほぼ匹敵します。