ルータは、RAM、ROM、NVRAM、フラッシュ メモリという 4 種類のメモリにアクセスします。
RAM
RAM は、次のようなさまざまなアプリケーションとプロセスを格納するために使用されます。
- Cisco IOS:IOS はブートアップ中にメモリにコピーされます。
- 実行コンフィギュレーション ファイル:これは、ルータの IOS が現在使用している設定コマンドを格納するコンフィギュレーション ファイルです。 running-config とも呼ばれます。
- IP ルーティング テーブル:このファイルには、直接接続されたネットワークやリモート ネットワークに関する情報が含まれています。 パケットの転送に使用するベスト パスを決定するために使用されます。
- ARP キャッシュ:PC の ARP(Address Resolution Protocol)キャッシュと同様に、このキャッシュには IPv4 アドレスから MAC アドレスへのマッピングが含まれます。 ARP キャッシュは、イーサネット インターフェイスなどの LAN インターフェイスを持つルータ上で使用されます。
- パケット バッファ:パケットは、インターフェイスで受信される際またはインターフェイスから送信される前に、一時的にバッファに保存されます。
コンピュータのように、シスコ ルータは実際にはダイナミック ランダム アクセス メモリ(DRAM)を使用します。 DRAM は非常に一般的なタイプの RAM であり、CPU によって実行する必要がある命令とデータを格納します。 ROM とは異なり、RAM は揮発性メモリであり、情報を維持するには継続的な電源が必要です。 ルータの電源を切断したり、再起動したりするとすべての内容が失われます。
デフォルトで、1941 ルータは、メイン システム ボードにはんだ付けされた 512 MB の DRAM(オンボード)と、最大 2.0 GB の追加メモリ アップグレード用の 1 個のデュアル インライン メモリ モジュール(DIMM)スロットを備えています。 Cisco 2901、2911、2921 モデルのオンボード DRAM は 512 MB です。 第一世代 ISR および古いシスコ ルータにはオンボード RAM がないことに注意してください。
ROM
シスコ ルータは次のものを ROM に格納します。
- ブートアップ手順:スタートアップの手順を提供します。
- 基本診断ソフトウェア:全コンポーネントの電源投入時自己診断テスト(POST)を実行します。
- 制限付き IOS:ルータがフル機能の IOS をロードできない場合のために、OS の制限付きバックアップ バージョンを提供します。
ROM は、ルータ内部の統合回路に組み込まれたファームウェアであり、ルータの停電時または再起動時にも内容は失われません。
NVRAM
Cisco IOS は、スタートアップ コンフィギュレーション ファイル(startup-config)の恒久的な記憶領域として NVRAM を使用します。 ROM と同様に、NVRAM は電源が切断されても内容は失われません。
フラッシュ メモリ
フラッシュ メモリは不揮発性コンピュータ メモリであり、IOS および他のシステム関連のファイルの恒久的ストレージとして使用されます。 IOS はブートアップ プロセス中にフラッシュ メモリから RAM にコピーされます。
Cisco 1941 ルータは、2 個の外部コンパクト フラッシュ スロットを備えています。 各スロットは 4 GB の密度にアップグレード可能な高速ストレージ密度をサポートできます。
図に 4 種類のメモリをまとめます。