データ ネットワークとインターネットは、人間同士の間の信頼性の高い通信を実現することにより、ヒューマン ネットワークをサポートします。 1 つのデバイスで、電子メール、Web、インスタント メッセージングなど、複数のアプリケーションやサービスを使用して、メッセージを送信したり、情報を取得したりできます。 電子メール クライアント、Web ブラウザ、インスタント メッセージ クライアントなどのアプリケーションを使用すると、コンピュータとネットワークを利用して、メッセージを送信したり、情報を見つけたりすることができます。
これらの各アプリケーションからのデータは、パッケージ化されて転送され、宛先デバイスの該当するアプリケーションに配信されます。 OSI トランスポート層で規定されているプロセスは、アプリケーション層からデータを受け取って、ネットワーク層でアドレス指定するための準備を整えます。 トランスポート層は、ネットワークで伝送できるようにデータを準備します。 送信元コンピュータは、受信側コンピュータと通信することによって、データをセグメントに分割する方法、セグメントが 1 つも失われないようにする方法、およびセグメントがすべて到着したことを確認する方法を決定します。 トランスポート層について考えるときは、1 回の注文に含まれる複数のパッケージを配達用に準備する発送部門を想像してください。
この章では、アプリケーション データをネットワーク層で使用できるようにカプセル化するトランスポート層の役割について説明します。 トランスポート層には、次の機能も含まれています。
- 1 つのデバイスで、電子メールやソーシャル ネットワークなどの複数のアプリケーションが同時にネットワークを通じて通信できるようにする。
- 必要に応じて、すべてのデータが確実に順序正しく適切なアプリケーションに渡るようにする。
- エラー処理メカニズムを利用する。
学習目標
この章では、次のことを学習します。
- トランスポート層の必要性
- アプリケーション間でのデータのエンドツーエンド転送を可能にするときのトランスポート層の役割
- TCP と UDP という 2 つの TCP/IP トランスポート層プロトコルの役割
- トランスポート層の重要な機能(信頼性(確実性)、ポート アドレス、セグメント化など)
- TCP と UDP が重要な機能を処理する仕組み
- TCP または UDP が適している用途と、各プロトコルを使用するアプリケーションの例