トランスポート層は、2 つのアプリケーションの間で一時的な通信セッションを確立して、両者の間でデータを配信するという役割を担っています。 アプリケーションは、送信元ホスト上のアプリケーションから宛先ホスト上のアプリケーションに送信するデータを生成します。アプリケーションによるデータの生成は、宛先ホストの種類、データを伝送するメディアの種類、データが通るパス、リンクの輻輳、およびネットワークのサイズに関係なく行われます。 この図に示すように、トランスポート層は、アプリケーション層とネットワーク伝送の役割を担っている下位の層との間のリンクです。
トランスポート層は、受信側でデータを確実に復元できるようなやり方でネットワークを経由してデータを配信する方法を提供します。 トランスポート層は、データのセグメント化とともに、これらのセグメントを種々の通信ストリームに再構成するために必要な制御を提供します。 TCP/IP では、このセグメンテーション プロセスとリアセンブリ プロセスを 2 つの大きく異なるトランスポート層プロトコルによって実現できます。その 2 つのプロトコルとは、TCP(Transmission Control Protocol; 伝送制御プロトコル)と UDP(User Datagram Protocol; ユーザ データグラム プロトコル)です。
トランスポート層プロトコルの主要な役割は次のとおりです。
- 送信元ホストと送信先ホストのアプリケーション間での個々の通信の追跡
- 送信先での管理性のデータのセグメント化とセグメント化されたデータのアプリケーション データのストリームへの再構成
- 各通信ストリームに適したアプリケーションの識別