個々の会話の追跡
トランスポート層で送信元アプリケーションと宛先アプリケーションの間に流れる個々のデータ セットのことを、会話(conversation)と呼びます(図 1)。 1 つのホスト上に、ネットワークを通じて同時に通信するアプリケーションが複数ある場合があります。 これらのアプリケーションのそれぞれが、1 つ以上のリモート ホストの 1 つ以上のアプリケーションと通信します。 これらの複数の会話を維持し追跡するのは、トランスポート層の役目です。
データのセグメント化とセグメントの再構成
メディアに送出されるデータは、管理可能な単位で送信されるように整える必要があります。 ほとんどのネットワークでは、1 つのパケットに含めることができるデータ量に制限があります。 トランスポート層プロトコルには、アプリケーション データをセグメント化して、適切なサイズのデータ ブロックにするサービスがあります(図 2)。 このサービスには、データの各部分で必要なカプセル化が含まれています。 再構成に使用されるヘッダーが各データ ブロックに追加されます。 このヘッダーは、データ ストリームを追跡するために使用されます。
宛先のトランスポート層では、データ ブロックをアプリケーション層で利用できる完全なデータ ストリームに再構成できることが必要です。 トランスポート層のプロトコルは、データ ブロックをアプリケーション層に渡すストリームに再構成するためにトランスポート層のヘッダー情報をどのように使用するのかを規定しています。
アプリケーションの識別
ネットワーク内の各ホストでは、数多くのアプリケーションやサービスが実行されていることがあります。 データ ストリームを適切なアプリケーションに渡すために、トランスポート層はターゲット アプリケーションを識別する必要があります(図 3)。 そのために、トランスポート層は各アプリケーションに ID を割り当てます。 この ID はポート番号と呼ばれます。 ネットワークにアクセスする必要があるソフトウェア プロセスごとに、そのホストで固有のポート番号が割り当てられます。 トランスポート層は、アプリケーションやサービスを識別するためにポートを使用します。