会話の多重化
ある種のデータ(たとえば、ストリーミング ビデオ)をネットワークを通じて 1 つの完全な通信ストリームとして送信すると、利用可能な帯域幅がすべて使われてしまって、同時に他の通信が行われるのを妨げる可能性があります。 また、エラー リカバリと損傷データの再送信も難しくなります。
この図は、データを小さなチャンク(かたまり)にセグメント化することで、同じネットワーク上の多くの異なるユーザからの多くの異なる通信をインターリーブ(多重化)できることを示しています。 トランスポート層プロトコルによるデータのセグメント化は、コンピュータ上で複数のアプリケーションを同時に実行するときにデータの送信と受信の両方を行うための手段にもなります。
セグメント化を行わなければ、データを受信できるアプリケーションは 1 つだけになってしまいます。 たとえば、ストリーミング ビデオでは、メディアが共有されずに、1 つの通信ストリームによって完全に使われてしまうでしょう。 そうなると、ビデオを見ながら、電子メールを受信したり、インスタント メッセンジャーでチャットしたり、Web ページを閲覧したりすることはできなくなります。
データの各セグメントを識別するために、トランスポート層はバイナリ データが含まれるヘッダーをセグメントに追加します。 このヘッダーには、ビットのフィールドが含まれます。 これらのフィールドの値によって、トランスポート層のそれぞれのプロトコルがデータ通信の管理において別々の機能を遂行できるのです。