TCP の信頼性機能によってアプリケーション間の通信はより強固になりますが、その一方でオーバーヘッドが増え、伝送の遅延が生じる可能性もあります。 信頼性の価値とネットワーク リソースへの負荷との間にはトレードオフの関係があります。 アプリケーションの信頼性を確保するためにオーバーヘッドが増えると、アプリケーションの有用性を低下させる可能性があり、さらにアプリケーションにとって害になることさえあります。 そのような場合は、UDP の方が好ましいトランスポート層プロトコルといえます。

UDP は、該当するアプリケーションの間でデータ セグメントを配信するための基本的な機能を提供するだけであり、オーバーヘッドやデータ チェック機能はほとんどありません。 UDP はベストエフォート型の配信プロトコルと呼ばれます。 ネットワークの観点からすると、ベストエフォート型配信は信頼性が低いと見なされます。なぜなら、データが宛先に到達したことを示す確認応答がないからです。 UDP では、配信が成功したかどうかを送信側に知らせるトランスポート層プロセスがありません。

UDP は、手紙を書留でない普通郵便で送るのと似ています。 手紙の送り主は、受取人がその手紙を受け取れるかどうかわかりませんし、郵便局には、その手紙を追跡したり、その手紙が宛先に届いていないかどうかを送り主に知らせたりする責任はありません。

図中の [再生] ボタンをクリックすると、送信側から受信側に UDP セグメントが送られていくアニメーションを見ることができます。