送信元ポートと宛先ポートはセグメント内に付加されます。 その後、セグメントは IP パケット内にカプセル化されます。 IP パケットには送信元と宛先の IP アドレスが含まれています。 送信元および宛先の IP アドレスと送信元および宛先のポート番号との組み合わせをソケットといいます。 ソケットは、クライアントから要求されているサーバとサービスの識別に使用されます。 膨大な数のホストとサーバの間で通信が日々行われています。 これらの通信の識別はソケットによって行われています。

トランスポート層のポート番号とホストのネットワーク層 IP アドレスとの組み合わせにより、個別のホスト デバイスで動作している特定のアプリケーション プロセスが一意に特定されます。 この組み合わせはソケットと呼ばれます。 送信元および宛先 IP アドレスとポート番号から構成されるソケット ペアも一意で、2 つのホスト間の特定の会話を識別します。

送信元ポート番号が 1099 だとすると、クライアントのソケットは、たとえば 192.168.1.5:1099 のようになります。

Web サーバのソケットは、たとえば 192.168.1.7:80 のようになります。

また、この 2 つのソケットを組み合わせると、192.168.1.5:1099 と 192.168.1.7:80 というソケット ペアが形成されます。

ソケットを作成することで、コミュニケーション エンドポイントが既知のものとなり、データはあるホスト上のアプリケーションから別のホスト上のアプリケーションへ移動できます。 ソケットにより、あるクライアント上で動作している複数のプロセスが相互を区別し、また 1 つのサーバ プロセスへの複数の接続も相互を区別できるようになります。

クライアント要求の送信元ポートはランダムに生成されます。 このポート番号は、いわば要求元アプリケーションの差出人住所のようなものです。 トランスポート層は、このポートと要求を開始したアプリケーションを追跡するので、応答が返された時点で、それを正しいアプリケーションに転送できます。 要求元アプリケーションのポート番号は、サーバから返される応答の中で宛先ポート番号として使用されます。