2 進表記についての理解は、2 台のホストが同じネットワーク内にあるかどうかを判断する場合に重要になってきます。 前にも説明したように、IP アドレスは、ネットワーク部とホスト部の 2 つの部分で構成される階層型のアドレスです。 ただし、ネットワーク部とホスト部を区別するには、10 進数値ではなく、32 ビット ストリームを調べる必要があります。 32 ビット ストリームには、ネットワーク部を構成するビット部と、ホスト部を構成するビット部があります。

アドレスのネットワーク部に含まれるビットは、同じネットワーク内に存在するすべてのデバイスで同じでなければなりません。 アドレスのホスト部に含まれるビットは、ネットワーク内に存在する特定のホストを識別できるように固有でなければなりません。 2 つの IPv4 アドレスで 10 進数値が一致しているかどうかに関係なく、32 ビット ストリームのネットワーク部のビットパターンが 2 つのホストで同じであれば、その 2 つのホストは同じネットワーク内に存在します。

ところで、各ホストは、32 ビットのうち、どの部分がネットワーク部で、どの部分がホスト部であるかをどのような方法で区別するのでしょうか。 その方法となるのが、サブネット マスクです。

IP アドレスを設定すると、サブネット マスクも IP アドレスと一緒に割り当てられます。 IP アドレスと同様、サブネット マスクの長さも 32 ビットです。 サブネット マスクは、IP アドレスのどの部分がネットワーク部で、どの部分がホスト部であるかを示します。

サブネット マスクと IP アドレスを、左から右に 1 ビットずつ比較します。 サブネット マスクの 1 はネットワーク部を表し、0 はホスト部を表します。 図 1 に示すように、サブネット マスクは、ネットワーク部を表す各ビット位置に 2 進数の 1 を置き、ホスト部を表す各ビット位置に 2 進数の 0 を置きます。 ただし、サブネット マスクに IPv4 アドレスのネットワーク部またはホスト部が実際に含まれるわけではなく、サブネット マスクは、特定の IPv4 アドレスのどの部分がネットワーク部で、どの部分がホスト部であるかをコンピュータに伝えるだけです。

IPv4 アドレスと同様、サブネット マスクも使いやすいように、ドット付き 10 進表記で表されます。 サブネット マスクは、IPv4 アドレスとともにホスト デバイスに設定されます。ホストが自身の属するネットワークを調べるには、サブネット マスクが必要です。 図 2 に、IPv4 オクテットの有効なサブネット マスクを示します。