マルチキャスト伝送

マルチキャスト伝送は、IPv4 ネットワークの帯域幅を節約します。 マルチキャスト伝送では、加入しているマルチキャスト グループ内から選択された一連のホストに単一のパケットを送信できるため、トラフィックを低減できます。 ユニキャスト通信によって送信元ホストから複数の宛先ホストに到達するには、単一のパケットを個々のホスト宛てに送信する必要があります。 マルチキャストを使用すると、送信元ホストから単一のパケットを数千の宛先ホストに送信できます。 中間ネットワークの役割は、マルチキャスト フローを効率的に複製して対象となる受信者にのみ届けることです。

マルチキャスト伝送のいくつかの例を示します。

マルチキャスト アドレス

IPv4 では、マルチキャスト グループ用のアドレス ブロックが予約されています。 アドレスの範囲は 224.0.0.0 ～ 239.255.255.255 です。 マルチキャスト アドレスの範囲は、予約済みリンク ローカル アドレスや、グローバル スコープ アドレスなどの種類によって分割されています。 マルチキャスト アドレスの種類には、もう 1 つ、限定スコープ アドレスと呼ばれる管理用スコープ アドレスもあります。

IPv4 マルチキャスト アドレス 224.0.0.0 ～ 224.0.0.255 は、予約済みリンク ローカル アドレスです。 これらのアドレスは、ローカル ネットワーク上のマルチキャスト グループに使用されます。 ローカル ネットワークに接続されているルータは、これらのパケットをリンクローカル マルチキャスト グループ宛てのものと認識し、それ以上転送しません。 予約済みリンクローカル アドレスの一般的な用途は、ルーティング プロトコルでマルチキャスト伝送を使用してルーティング情報を交換することです。

グローバル スコープ アドレスは 224.0.1.0 ～ 238.255.255.255 です。 これらのアドレスは、インターネット上でデータをマルチキャストするのに使用されることがあります。 たとえば、224.0.1.1 は、ネットワーク デバイスの時刻を同期する NTP（Network Time Protocol; ネットワーク タイム プロトコル）用に予約されています。

マルチキャスト クライアント

特定のマルチキャスト データを受信するホストは、マルチキャスト クライアントと呼ばれます。 マルチキャスト クライアントは、クライアント プログラムから要求されたサービスを使用して、マルチキャスト グループに加入します。

各マルチキャスト グループは、単一の IPv4 マルチキャスト宛先アドレスによって表されます。 IPv4 ホストは、マルチキャスト グループに加入すると、このマルチキャスト アドレス宛てのパケットと、一意に割り当てられたユニキャスト アドレス宛てのパケットを処理します。

このアニメーションは、クライアントがマルチキャスト パケットを受け入れる様子を示しています。