IPv6 ユニキャスト アドレスは、IPv6 対応デバイスのインターフェイスを一意に識別します。 ユニキャスト アドレスに送信されたパケットは、そのアドレスが割り当てられているインターフェイスによって受信されます。 IPv4 と同様、送信元 IPv6 アドレスは、ユニキャスト アドレスでなければなりません。 宛先 IPv6 アドレスには、ユニキャスト アドレスまたはマルチキャスト アドレスのどちらでも使用できます。

IPv6 ユニキャスト アドレスは 6 種類あります。

グローバル ユニキャスト

グローバル ユニキャスト アドレスは、パブリック IPv4 アドレスと同様です。 このアドレスはグローバルに一意で、インターネット上でルーティング可能です。 グローバル ユニキャスト アドレスは、固定アドレスとして設定することも、動的に割り当てることもできます。 デバイスに IPv6 アドレスを動的に割り当てる方法には、IPv4 の DHCP とは異なる重要な点がいくつかあります。

リンクローカル

同じローカル リンク上に存在する他のデバイスとの通信には、リンクローカル アドレスが使用されます。 IPv6 の場合、リンクという用語はサブネットを意味します。 リンクローカル アドレスは、単一のリンク内でのみ使用されます。 リンクローカル アドレスは、リンクを越えてルーティングできないため、アドレスはそのリンク上でのみ固有である必要があります。 つまり、ルータは、リンクローカル アドレスを送信元または宛先アドレスとして持つパケットを転送しません。

ループバック

ループバック アドレスは、ホストが自身宛てにパケットを送信するのに使用するアドレスで、物理インターフェイスに割り当てることはできません。 IPv4 ループバック アドレスと同様、IPv6 ループバック アドレスを ping して、ローカル ホストの TCP/IP 設定をテストできます。 IPv6 ループバック アドレスは、最後のビットを除くすべてのビットが 0 で、圧縮形式では ::1/128 または ::1 と表されます。

未指定アドレス

未指定アドレスは、すべて 0 のアドレスで、圧縮形式では ::/128 または :: と表されます。 未指定アドレスは、インターフェイスに割り当てることはできず、IPv6 パケットの送信元アドレスとしてのみ使用できます。 未指定アドレスは、デバイスに固定 IPv6 アドレスがない場合、またはパケットの送信元が宛先と関係ない場合に、送信元アドレスとして使用されます。

固有ローカル

IPv6 固有ローカル アドレスには、IPv4 の RFC 1918 プライベート アドレスとの類似点がいくつかありますが、大きな違いもあります。 固有ローカル アドレスは、サイト内、または数に制限があるサイト間でのアドレス指定に使用されます。 これらのアドレスは、グローバルな IPv6 でルーティングしてはなりません。 固有のローカル アドレスは FC00::/7 ~ FDFF::/7 の範囲内にあります。

IPv4 では、プライベート アドレスと NAT/PAT を組み合わせて、プライベート アドレスとパブリック アドレスの多対 1 変換を行います。 こうした処理を行うのは、使用できる IPv4 アドレス空間に制限があるからです。 また、多くのサイトでは、RFC 1918 プライベート アドレスの性質を使用して、潜在的なセキュリティ リスクからネットワークを保護または匿います。 ただし、こうした使い方は、これらのテクノロジーの本来の使用目的ではなく、IETF は常々、インターネットに接続されるルータに適切なセキュリティ対策を講じることを推奨しています。 実際、IPv6 はサイト固有のアドレスを提供しますが、内部の IPv6 対応デバイスを IPv6 インターネットから隠すために使用するのは、このアドレスの本来の使用目的ではありません。 IETF は、最適なセキュリティ対策を講じてデバイスへのアクセスを制限することを推奨しています。

:元の IPv6 仕様では、同様の目的で使用するサイトローカル アドレス(プレフィクス範囲 FEC0::/10)を定義していました。 この仕様には不明確な点がいくつかあり、サイトローカル アドレスは IETF によって廃止され、固有ローカル アドレスが採用されました。

IPv4 の組み込み

ユニキャスト アドレスの最後の種類は、IPv4 組み込みアドレスです。 これらのアドレスは、IPv4 から IPv6 への移行を支援するために使用されます。 IPv4 組み込みアドレスは、このコースの範囲外です。