IPv6 リンクローカル アドレスを使用することで、各デバイスは、同じリンク上にあって、なおかつそのリンク(サブネット)上にしかない他の IPv6 対応デバイスと通信できます。 送信元または宛先にリンクローカル アドレスを持つパケットは、パケットの発信元のリンクを越えてルーティングできません。
IPv4 リンクローカル アドレスとは異なり、IPv6 リンクローカル アドレスは、ネットワークのさまざまな側面で重要な役割を果たします。 グローバル ユニキャスト アドレスは要件ではありませんが、リンクローカル アドレスは、どの IPv6 対応ネットワーク インターフェイスにも必要です。
リンクローカル アドレスがインターフェイスに手入力で設定されていない場合、デバイスは DHCP サーバと通信しなくても、独自のリンクローカル アドレスを自動的に作成します。 IPv6 対応ホストは、グローバル ユニキャスト IPv6 アドレスが割り当てられていない場合も、IPv6 リンクローカル アドレスを作成します。 したがって、IPv6 対応デバイスは、同じサブネット上に存在する他の IPv6 対応デバイスと通信できます。 これには、デフォルト ゲートウェイ(ルータ)との通信も含まれます。
IPv6 リンクローカル アドレスは、FE80::/10 の範囲内にあります。 /10 は、最初の 10 ビットが 1111 1110 10xx xxxx であることを示します。 最初のヘクステットの範囲は、1111 1110 1000 0000(FE80)~ 1111 1110 1011 1111(FEBF)です。
図 1 に、IPv6 リンクローカル アドレスを使用した通信の例を示します。
図 2 に、IPv6 リンクローカル アドレスの形式を示します。
また、IPv6 リンクローカル アドレスは、IPv6 ルーティング プロトコルがメッセージを交換するときや、IPv6 ルーティング テーブルのネクストホップ アドレスとしても使用されます。 リンクローカル アドレスについては、後のコースで詳しく説明します。
注:通常、リンク上のデバイスのデフォルト ゲートウェイとして使用されるのは、グローバル ユニキャスト アドレスではなく、ルータのリンクローカル アドレスです。