IPv6 グローバル ユニキャスト アドレスは、IPv6 インターネットでグローバルに一意で、ルーティング可能です。 これらのアドレスは、パブリック IPv4 アドレスに相当します。 インターネット割り当て番号局(IANA)の事業者である Internet Committee for Assigned Names and Numbers(ICANN; アイキャン)は、RIR に IPv6 アドレス ブロックを割り当てています。 現在は、先頭 3 ビットが 001(つまり 2000::/3)のグローバル ユニキャスト アドレスのみが割り当てられています。 そのアドレス数は、使用できる IPv6 アドレス空間全体のわずか 1/8 にすぎません(きわめて少数しかない他の種類のユニキャストおよびマルチキャスト アドレスを除く)。

:2001:0DB8:: /32 アドレスは、ドキュメントで使用すること(例で使用するなど)を想定して予約されています。

図 1 に、グローバル ユニキャスト アドレスの構造と範囲を示します。

グローバル ユニキャスト アドレスは、次の 3 つの部分から成ります。

グローバル ルーティング プレフィクス

グローバル ルーティング プレフィクスは、ISP などのプロバイダーが顧客やサイトに割り当てるアドレスのプレフィクス部、またはネットワーク部です。 現在、RIR は、顧客に /48 グローバル ルーティング プレフィクスを割り当てています。 これだけで、エンタープライズ ビジネス ネットワークから各家庭にいたるあらゆるユーザに対応できます。 これは、ほとんどの顧客に対応できる十分なアドレス空間です。

図 2 に、/48 グローバル ルーティング プレフィクスを使用したグローバル ユニキャスト アドレスの構造を示します。 /48 プレフィクスは、最も一般的に割り当てられるグローバル ルーティング プレフィクスで、このコースでもほとんどの例で使用されます。

たとえば、IPv6 アドレス 2001:0DB8:ACAD::/48 のプレフィクスは、先頭 48 ビット(3 ヘクステット)(2001:0DB8:ACAD)がアドレスのプレフィクスまたはネットワーク部であることを示しています。 /48 プレフィクス長の前にある二重コロン(::)は、残りのアドレスがすべて 0 であることを意味します。

サブネット ID

サブネット ID は、組織でサイト内のサブネットを識別するのに使用されます。

インターフェイス ID

IPv6 インターフェイス ID は、IPv4 アドレスのホスト部に相当します。 なぜインターフェイス ID という用語が使用されているかというと、1 つのホストに、それぞれ 1 つ以上の IPv6 アドレスを持つ複数のインターフェイスが存在することがあるからです。

:IPv4 とは異なり、IPv6 では、すべて 0 のホスト アドレスとすべて 1 のホスト アドレスをデバイスに割り当てることができます。 すべて 1 のアドレスが使用可能なのは、IPv6 ではブロードキャスト アドレスが使用されないためです。 なお、すべて 0 のアドレスも使用可能ですが、これはサブネットルータのエニーキャスト アドレスとして予約されているので、ルータ以外には割り当てないでください。

ほとんどの IPv6 アドレスを簡単に読み取るには、ヘクステット数を数えます。 図 3 に示すように、/64 グローバル ユニキャスト アドレスでは、最初の 4 つのヘクステットがアドレスのネットワーク部で、4 番目のヘクステットはサブネット ID を示します。 残り 4 つのヘクステットはインターフェイス ID です。