IPv6 マルチキャスト アドレスは、IPv4 マルチキャスト アドレスと同様です。 前にも説明したように、マルチキャスト アドレスは、1 つ以上の宛先(マルチキャスト グループ)に単一のパケットを送信するのに使用されます。 IPv6 マルチキャスト アドレスにはプレフィクス FF00::/8 があります。
注:マルチキャスト アドレスとして使用できるのは宛先アドレスのみです。送信元アドレスをマルチキャスト アドレスとして使用することはできません。
IPv6 マルチキャスト アドレスには次の 2 種類があります。
- 割り当て済みマルチキャスト
- 送信要求ノード マルチキャスト
割り当て済みマルチキャスト
割り当て済みマルチキャスト アドレスは、事前に定義されたデバイス グループ用に予約されているマルチキャスト アドレスです。 割り当て済みマルチキャスト アドレスは、単一のアドレスで、共通のプロトコルやサービスを実行するデバイスのグループに到達することを目的に使用されます。 割り当て済みマルチキャスト アドレスは、DHCPv6 などの特定のプロトコルに関するコンテキストで使用されます。
2 つの共通 IPv6 割り当て済みマルチキャスト グループには、次のものが含まれます。
- FF02::1 全ノード マルチキャスト グループ – これは、すべての IPv6 対応デバイスが参加するマルチキャスト グループです。 このグループに送信されるパケットは、リンクまたはネットワーク上に存在するすべての IPv6 インターフェイスで受信されて処理されます。 これは、IPv4 のブロードキャスト アドレスと同じ効果があります。 図に、全ノード マルチキャスト アドレスを使用した通信の例を示します。 IPv6 ルータは、全ノード マルチキャスト グループに ICMPv6(Internet Control Message Protocol version 6)RA メッセージを送信します。 RA メッセージは、ネットワーク上に存在するすべての IPv6 対応デバイスに、プレフィクス、プレフィクス長、デフォルト ゲートウェイなどのアドレス情報を通知します。
- FF02::2 全ルータ マルチキャスト グループ - これは、すべての IPv6 ルータが参加するマルチキャスト グループです。 ルータは、ipv6 unicast-routing グローバル設定コマンドによって IPv6 ルータとして有効になると、このグループのメンバーになります。 このグループに送信されるパケットは、リンクまたはネットワーク上に存在するすべての IPv6 ルータで受信されて処理されます。
IPv6 対応デバイスは、全ルータ マルチキャスト アドレスに ICMPv6 ルータ要求(RS)を送信します。 RS メッセージは、IPv6 ルータに RA メッセージを要求して、アドレス設定内のデバイスを支援します。