従来のサブネット化を使用すると、各サブネットに同じ数のアドレスが割り当てられます。 すべてのサブネットにおいてホスト数の要件が同じである場合は、このような固定サイズのアドレス ブロックが効率的です。 しかし、ほとんどの場合、そうではありません。

たとえば、図 1 に示すトポロジでは 7 個のサブネットが必要です。4 つの LAN のそれぞれに 1 個、ルータ間の 3 つの WAN 接続のそれぞれに 1 個です。 与えられたアドレス 192.168.20.0/24 で従来のサブネット化を使用する場合、最後のオクテットのホスト部から 3 ビットを借りて、7 個のサブネットというサブネット化の要件を満たすことができます。 図 2 に示すように、3 ビットを借りると、8 個のサブネットが作成され、ホスト ビットは 5 ビット残り、サブネットごとに 30 台のホストが使用可能です。 この方式で、必要なサブネットを作成し、最大の LAN のホストの要件を満たすことができます。

ただし、この従来的なサブネット化方式では、最大の LAN のニーズを満たし、アドレス空間を適切な数のサブネットに分割できますが、未使用のアドレスが多数発生し、アドレスが無駄になります。

たとえば、3 つの WAN リンクの各サブネットに必要なアドレスは 2 つだけです。 各サブネットで使用可能なアドレスは 30 個あるので、これらのサブネットにはそれぞれ 28 個の未使用アドレスがあります。 この結果、図 3 に示すように、合計 84 個の未使用アドレス(28 x 3)が発生します。

さらに、これによって、使用可能なサブネットの総数が少なくなり、今後の拡大が制限されます。 このようにアドレスの使い方が非効率的であることが、従来のクラスフル ネットワークのサブネット化の特性です。

このシナリオに従来のサブネット化方式を適用するのは、あまり効率的ではなく、無駄が多くなります。 こうしたシナリオには、サブネットをサブネット化してアドレスを最大限に使用する方法が適しています。

サブネットをサブネット化するには、可変長サブネット マスク(Variable Length Subnet Mask; VLSM)を使用します。これは、アドレスの浪費を避けるために考えられた方式です。